のらえもん&FJリアルティ藤田による対談で、湾岸エリアでの住み替えについて情報をお届けします。
住み替えの検討の前に、ぜひいちどお読みください。
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のらえもん
株式会社FJリアルティ 代表取締役社長
藤田祥吾(ふじふじ太)
東京湾岸エリアでの
住み替えに傾向はある?
のらえもん
東京湾岸エリアでの住み替えに傾向ってあるんですか?
藤田
一般的に、他のエリアよりも住み替えの発生そのものが多いと感じますね。そして、同じエリア内での住み替えが多いです。エリア内、なんなら同じマンション内でのサイズアップが一番需要あります。2LDKから3LDK、1LDKから2LDKに引っ越したいとか。
のらえもん
おっしゃっている「エリア内」というのは、例えば、有明→晴海とか、勝どき→豊洲ではなく、豊洲→豊洲というような狭域エリア内での移動ということですか?
藤田
そうです。
同じマンションへの移動ではないのであれば、現住居がちょっと古くなってきたので築浅のタワーマンションに住み替えたいという方が最近は多いですね。
のらえもん
ところで、最近の湾岸タワーマンションの値上がりもすごいですよね。
どこも新築から何十%もあがっている。
そんななかの住み替え先ってどう考えてますか?
藤田
おっしゃる通りで、エリア内の住み替えを希望されていても住み替え先が高くなっていることもあります。違うエリアへの住み替えも今後は増えてくるのではないかなと。
ただし、意外と湾岸以外のエリアを積極的に見られている方は少なくて。
のらえもん
湾岸は子育て世代なんかには揃ってますからね。ただ、2LDKを3LDKに変えたいとか、予算アップはなかなかハードですよね。
ちなみに、すみかえもんではご自身でお住まいのマンション、残債、年収から住み替えられる物件が出てくるんですが、デフォルトだと湾岸エリア以外の物件も多く出てきます。
藤田
今までのポータルの部屋探しって、どこもエリアや路線から調べるから、そうなりますよね。その街、マンションを気に入ることもあるのに…可能性を閉ざしてしまう。
ですので、我々は湾岸のプロですが、湾岸エリアだけでなく広くエリアを見てもらいたいですね。
リテラシーの高い湾岸の方があまり見ないエリアであれば、お宝が眠っていることもあります。
もちろん理想は湾岸内での住み替えだとは思いますね。
Point 住み替えの傾向
・同じエリアで住み替える人が特に多いエリア
・しかし、今後は他エリアへの住み替えも増えてくる
・さまざまな可能性を見ていろんなエリアを見ることがおすすめ
住み替えのためのファーストステップ
住宅ローンの与信チェック
のらえもん
話を同じマンション内のサイズアップに限定しましょう。
例えば 2LDKから3LDKに引っ越したい場合、一番最初に何をしたらいいですか?
藤田
まずは住宅ローンから考えます。いま既に持っている部屋を売って、別の部屋へどうやって買い替えをするかを決めないといけません。
買い替え手段は、購入先行、売却先行の2パターンあります。
正確に言うと、売却先行の場合は仮住まいを挟むか挟まないかで分岐するので、パターンは3つです。
それを決める基準がダブルローンが通るかどうかなんです。
※編集注 今の住宅と住み替え先、一時的にどちらも住宅ローンで借りている状態がダブルローン
のらえもん
ダブルローンが通る、通らないってどこで分かるんですか?
藤田
銀行の判断基準は2つです。
まずは、与信、年収、勤め先等で、いくら借り入れできるか。
もう1つは、今持ってる物件の残債に対して、物件の価値が十分高いのか。
湾岸エリアのタワーマンションを新築で購入していた場合、はるかに今の方が価値が高いので、ダブルローンが通りやすい傾向にあります。一方で、最近買った場合は、まだ返済が進んでいないので残債と物件価値があんまり変わらない、となるとダブルローンが通り辛かったりします。与信だけではなく、今の物件の価値と残債の部分とで、銀行は総合的に判断します。
のらえもん
この与信額という概念、金融系のサラリーマン以外だとなかなか想像し辛いですが、銀行に行けば教えてくれるんですか?
藤田
大体、目安は教えてくれます。審査基準とも言えるんですけど、ざっくり言うと、年収の7〜8倍までは借入れできることが多いですね。
のらえもん
分かりました。では、この与信額やダブルローンが通る、通らない等の交通整理をしてくれるのが、不動産仲介店と考えていいですか?
藤田
仲介店が与信を審査できるわけではないので、まずはお話を伺わせていただきます。その後、銀行に相談に行ってもらい、銀行の事前審査の感触として「全然いけます」と言われたら、では購入先行でいきましょう等とアドバイスさせて頂いています。
のらえもん
ネット銀行の方が金利が安くて人気ですが、ネット銀行の場合も、与信額やダブルローンが通る通らないというのは教えてくれますか?
藤田
教えてくれます。ただ、ネット銀行の場合は、対面相談ができないし、結果通知が来るだけなんですよ。詳しい相談をするなら、ネット銀行よりも対面がいいと思います。メガバンクにした方がより確実だと思います。
のらえもん
銀行の審査は、時折店舗で見かける住宅ローン相談会とかに行けばいいですか?
藤田
いえ、直接、銀行窓口に行ってもらえればいいと思います。
とはいえ「どこの銀行に行けば良いんだろう?」とか「どのタイミングでいけばいいんだろう?」とか「どんな書類が必要なんだろう?」とかわからないことだらけだと思うので、そういった点をサポートしてくれる仲介に相談することがおすすめですね。
Point 住宅ローンの与信チェック
・住み替えのファーストステップは住宅ローン
・ダブルローンが組めるかどうかでパターンが変わる
・ご相談はまずは仲介まで。仲介経由で最適な銀行を提案してもらえます
東京湾岸エリアの人で
ダブルローンが通る確率は?
のらえもん
銀行からダブルローン(※今の住宅と住み替え先、一時的にどちらも住宅ローンで借りている状態)いいよといわれれば、購入先行でいけるということですよね。
では、東京湾岸エリアの人ってダブルローンが通る確率ってどれくらいなんですか?
藤田
体感でいいですか?
…85%ですね。
湾岸は優秀な方が本当に多いので。
大企業の会社員、お医者さん、弁護士さんとかすごく多いのでダブルローンは大体いけます。
のらえもん
思ったよりずっと割合が高い!購入先行できるダブルローンのメリットを改めて教えてください。
藤田
先に住み替え先を買うので、条件が合う物件をゆっくりと選べることがメリットです。
2本も住宅ローンを抱えるのが不安という方がいらっしゃるかもしれませんが、心配ありません。売る時は、割とすぐ売れます。湾岸タワーマンションの場合、普通の価格で募集したらきちんと売れます。売れる時期が読めないみたいなことは、考えにくいです。
でも、「住み替えたい良い物件」に出会えるかどうかは、本当にその時になってみないとわからないので、時間を味方に使える購入先行の方が魅力が高いです。
Point ダブルローン
・湾岸は属性が良い方が多く、85%(体感値)で通る
・ダブルローンでは、条件が合う物件をゆっくり選べるというメリットあり
・湾岸タワーマンションは売れる時期が読みやすく、ダブルローンのデメリットが小さい
売却先行の住み替えハードルは高い?
のらえもん
仮住まいをどうしても挟まないといけないとか、もしくはダブルローンが通らないとか、その場合は、どんな選択肢があるでしょう。
藤田
先に売却をするしかないです。
売却は簡単にできるんですけど、その後が問題なんですよね。売却条件もあまり先延ばしできません。
通常は売買成立後、3ヶ月から6ヶ月以内には引き渡さないといけない。その期間内に、果たしてあなたが欲しいという物件が出ますかと。
…それがなかなか出ないんですね。妥協できない時はしょうがないから、一旦賃貸に入る覚悟で、先に売却するしかないです。
たまたま、運良く希望のマッチングする物件の募集が出たら買えますけど。
のらえもん
ダブルローンが通らない人は住み替えのハードルが高まることになりますか?
藤田
そもそも、売却先行を強いられるのでハードルが高いです。売却先行で仮住まいなしで進めたいという方がいらっしゃったとして、正直なところ仮住まいに行っていいことはさほどないので。
「売却先行」はすべてがうまくいくと楽なパターンですが、先ほどいった通りよほどタイミングが合わないとできません。
それに、売却する時に引き渡し時期の特約をつけないといけません。
ということは、売却価格を少し下げないと決まらないデメリットも出てきます。結構難しいと思います。
のらえもん
では、売却先行は難易度が高いということですか?
藤田
難易度が高いのは間違いないです。
それでも私は頑張らせていただきますし、実際にそれでうまくいったケースも当然あります。
信頼できる仲介を見つけないと、大事故になる可能性もあるのでお気をつけください。
Point 売却先行の住み替えハードルは高い?
・仮住まいやダブルローンの問題がある場合は、売却先行になる
・売却先行はうまくいくと理想だが、そうもいかないのが現実
・難易度が高いので、信頼できる仲介の選択を
ぶっちゃけ今って、売り時?
のらえもん
これ、仲介していると絶対に聞かれる質問ですよね。
藤田さん、今って売り時なんですか?
藤田
高く売りたいし、安く買いたいですよね。気持ちはとてもわかります。
ただし、いつも付きまとうのは「高く売ったとき、どうやって安く買うのか?」です。
のらえもん
はい。それだけ物件価格もあがっていますし、高く売ったところで相場もあがっていて次に買える物件も高くなるという問題ですね。
藤田
そうです。しかし、住み替えの場合は明確な答えがあります。
正直、売り時も買い時もないのです。
同じ時期に住み替えるなら「高く売れる = 高く買う」ということです。
将来的に物件が安く買えるときまで待つと、今度は手持ち物件も安く売れるという話となりますからね。
期間を空けるなら、話は別ですけど。今売って5年後買う、だったら空いてる期間で不動産価格がどうなるか読めないというリスクがあります。
のらえもん
でも、これってどのエリアも同じなんですか?エリア差ってありますか?
藤田
さすがのらえもんさん、面白い指摘です。一般的に不動産価格は「の」の字を描くように相場があがっていくと言われます。
つまり、すべての物件が同時にあがるわけではなくエリアごとに一段と相場が変わっていくと。
ですので、そういったときに実は湾岸エリアで買ったマンションの含み益をうまく使えば、普段は見ていなかったエリアが相対的に安く出ていることもある。
のらえもん
エリアを幅広く見ていくことも今後は必要になるかもしれませんね。
藤田
そうですね。
広く見てみることでまた含み益を伸ばすような買い方もできるかもしれません。
ともかく、住み替えは常に売り時であり、買い時。これは覚えておいてください。
Point 今って売り時?
・住み替えは、常に売り時で買い時
これまでにふじふじ太さんがまとめた、湾岸エリア内住み替えの実例を教えてください。
のらえもん
藤田さんのことをご存じの方は湾岸エリアでは非常に多いと思いますが、改めてお聞きしたいです。
藤田
いっぱいありますね…
例えばスターコート豊洲からベイズへの買い換え。
ブリリアマーレの2LDKから、ブリリアマーレの3LDK角部屋。
ザ・豊洲タワーからミッドタワーグランドの住み替えも担当させていただきました。
…言い始めると、キリがないですね。笑
のらえもん
私もそうですが、内見したことない物件なんてほとんどないですよね。
その三例は、売却先行でした?購入先行でした?
藤田
この3例でいうと、2例が購入先行です。
1例は売却先行でしたが、よほど理由がない限りは購入先行をおすすめしています。
しかし売却先行にももちろんメリットはありますので、お客様のケースによっては売却先行で進めていくこともありますね。
ただし、良い物件が見つかって、住み替えたいから手持ち物件を売る。この流れが住み替えのベーシックだと思ってもらえれば。
のらえもん
なるほど。まずは住み替えたい物件を見つけて、じゃあいまの自宅をどうやって売ろうか。という事ですね。
藤田
そうですね。「売却」と「購入」だと、やっぱり「購入」のほうが時間がかかるので。
先に売ってしまうと急いで次の物件を決めないといけないプレッシャーもあるから、できればダブルローンにして購入先行で進めるのがおすすめです。
Point 住み替え事例
・湾岸エリアでの事例は多数。詳細はLINEにてご相談ください。
・購入先行がおすすめですが、売却先行の事例も多くありますので、お気軽にご相談ください。
さいごに
のらえもん
お部屋探し、特に住み替えについては「我マンションのプロぞ」と思っている方だとしてもわからないことだらけの連続ですよね。
藤田
その通りです。
購入だけであれば、ご自身に合う割安なマンションを探すというシンプルな作業ですが、これに売却と住み替えが関わってくると非常に複雑になります。
のらえもん
どんな複雑さがあるんですか?
藤田
住宅ローンひとつとっても、既存の知識だけでは難しいと思います。
投資とも違いますし、与信についてもまた別の話になります。
返済はどうするのか?物件を保有したまま購入するには?売却条件は?…などなど、こういった点は仲介の中でもしっかりと対応できる人は少ないのではないかと思っています。
のらえもん
湾岸エリアはすでに70棟以上の規模で、3万戸以上の規模になっています。
この購入者はみなさん住み替えになるわけですが、住み替えはハードです。
住み替えの手続き以外にも、保育園や学区の話もあります。
経験豊富な方のサポートをみなさん受けられるといいですね。
藤田
湾岸エリアに特化した会社はレアですし、弊社もおかげさまで、非常に多くご相談をいただいています。
ですので、正直、ご対応できるかはそのときの状況次第ではあります。
しかし、一度お付き合いさせていただいたからにはプロとして最後までしっかりとお仕事させていただきますので、ぜひご相談お待ちしております。
編集部より
湾岸のプロフェッショナルであるお二人の対談で、住み替えの基礎知識についてお伝えいただきました。
ぜひ「すみかえもん」をご活用いただき、我々にご相談いただければ幸いです。
「誰よりもあなたのマンションに詳しい」プロフェッショナルが全力でサポートいたします。